GPS捜査が名古屋地裁で違法と判決!?

GPS捜査が名古屋地裁で違法と判決!?
GPSを捜査対象の車に密かに取り付けるGPS捜査手法をめぐる問題で、名古屋地裁が昨年の12月に、警察が摘発した連続窃盗事件の判決で「プライバシーを大きく侵害するもので違法」と判断されました。

GPSでの捜査が可能になって多くの犯罪を抑止できると思っていましたが、やはりこのような事態になってしまいましたね。実は、大阪地裁が2015年6月に、同種の事件で初の違法判断を示しており、これが二例目とみられるようです。大阪の事件は、1月15日から控訴審が始まり、検察側は引き続き違法性を否定する模様です。

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GPSでの今回の捜査は特に異常

GPSでの今回の捜査は特に異常
GPSでの今回の捜査で名古屋地裁は昨年のクリスマスイヴに、店舗や住宅を狙った窃盗事件の44歳の男性被告を懲役6年にしました。判決では、愛知県警は2013年6月、男性被告が乗る乗用車の下に、裁判所から令状なしにGPS追跡機を装着し、GPSの位置検索をしながら行動を追いました。

GPS追跡機を付けられた男性被告は、その3か月後にGPS追跡機が付けられていることに気付き、取り外すまでのGPSの検索回数は、なんと1653回にも及んでいたことがわかりました。

GPS追跡機での捜査がプライバシーの侵害に

GPS追跡機での捜査がプライバシーの侵害に
GPS追跡機での捜査を県警はいつまで続けるのかも決めておらず、長期に渡ってプライバシーの侵害があったとして「任意の捜査として許される尾行とは質的に異なる」とし、令状のないGPS追跡機での捜査は違法としました。

GPS追跡機を使っての捜査で、事件当時は司法判断がなかった点を考慮し、被告側が求めた捜査資料の証拠排除は認められなかったことに対し、被告側は控訴している模様です。

令状なきGPS追跡機での捜査を「重大な違法」として、2015年6月の大阪地裁の決定によって初めて認定され、捜査資料の一部を証拠から外した問題で、今回有罪とされた被告側が大阪高裁に控訴「違法捜査による起訴は無効。有罪でも量刑に考慮すべきだ」と主張したことに対し検察側は「GPS追跡機での捜査は尾行の補助手段で令状なしでも行える」と正当性を訴える方針です。この事件によって、GPS追跡機を使っての今後の捜査方法に何らかの変化があるかもしれませんね。

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